51  補給の決断

甚左衛門らにドゥーフの手紙を託した図書頭は、間を置かず次を命じた。

オランダ人二人を取り戻すために求められている品々を、揃えよ。

波戸場役が呼び出される。

野菜。薪。蕪。根木。

品目が読み上げられ、役人が走り出す。

御代官の手代へ、水船一艘を早々に差し出すよう申し渡された。

崎陽日録は記す。

 付其旨波戸場役呼出し野菜薪蕪根キ等用意申付御代官手代え水船壹艘早々差出候やう申渡

 右品々取揃え差遣し沖検使差図を相請渡し候様申付遣す

 又御船頭隠居土師喜八再勤の事水主共帶刀願書御代官手代持參す 此節非常の義にも有之間支配にて程能樣取

品々を揃え、沖の検使のもとへ送れ。

検使の指図を請けて、異国船へ渡せ。

順序が決められていく。

御船頭の隠居、土師喜八が呼び戻される。再び勤めよ、と。

水主たちには帯刀が許された。願書を御代官の手代が持参する。

非常の時である。

刀を差した水主が、水船に乗り込む。

夜の町に、品が集まっていく。

野菜が運ばれる。薪が積まれる。蕪と根木が揃えられる。

水船に、水が満たされていく。

だが水は、わずかしか積まれない。船の出航を遅らせるためだと、後にドゥーフは書き残す。

送り出す水船は、一艘。

その一艘が、港の沖へ向かう。

検使の待つ海上へ。

その先に、異国船がいる。

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